葭ヶ池と娘

2006-01-12 PM 2:23 by moto

いよいよ能登町(旧能都町地区)の民話集も終盤に差し掛かってきました。今日のお話は、運悪く機嫌の悪い竜神様に近づいて命を落としてしまった娘の話。でも竜神様は、一体どうやって娘を誘い込んだのでしょうか?

今から300年程前のお話。
吉谷という地区の介九郎さんの子で“ヨシ”という、美しい娘がいました。ヨシはとても働き者で、この日も朝早くから牛の秣(まぐさ:餌になる草)を刈りに山へ出かけていました。

さてヨシがいつも刈りに行く山は、凸凹が多く、雨の降った翌日には必ずといっていいほど水溜りができる場所でした。しかも昨夜は滝のような豪雨と雷鳴でしたから、もうどこもかしこも水溜りだらけ。ヨシは足元に注意しながら秣刈りを続けました。

しかしあまりの足場の悪さに、ふとしたことで足を滑らせスッテンコロリンと、しりもちをついてしまう始末。でも家では牛達が腹を空かせて待っています。汚れてしまった着物を気にしながらもなんとか秣刈りを終え、山を降り始めました。

さて、ヨシは山を降りる途中でなにか気付きました。
無い!無いんです!大事にしていたお気に入りの櫛(くし)が、いつの間にか・・・。
もしかしたら転んだ拍子に落としてしまったのかもしれません。ヨシはしぶしぶと今来た道を戻りました。

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