百合若とミドリ丸

2005-12-14 PM 4:01 by moto

能登町の民話集、第1回目は真脇に伝わる「京の大臣と勇敢な鷹」のお話です。真脇といえば縄文真脇温泉が有名ですが、真脇温泉の露天風呂から海を眺めると、眼下の湾に“弁天島”という小さな島が一つ見えると思います。真脇温泉にご入浴の際は、島を見ながらぜひこの民話を思い返してみてください。

昔々、京の都に百合若というお公卿(くぎょう)さんがいました。このお話は、百合若が17歳で右大臣に就任して間もない頃のお話です。

百合若は、若くして右大臣という大出世を遂げたので、周りの官人たちに酷く妬(ねた)まれていました。官人たちはどうにかして百合若を右大臣の役から引き摺り下ろしてやろうと暗躍し、ありもしない悪い噂を京中に広めたりもしたのです。

百合若のそんな悪い噂が帝(みかど)の耳に届くのに時間はかかりませんでした。帝は、百合若をこのまま京に置いておいては自分の身が危ないと思い、ついには百合若を陸奥(みちのく)の地へ流してしまったのです。

百合若はとても悲しみました。それは悪い噂を立てられて流されることに対してではなく、いつも可愛がっていた鷹の“ミドリ丸”と別れなければならなかったからです。しかしそれもお上の命令。百合若はミドリ丸を京に残し、しぶしぶと陸奥の地へ旅立って行ったのです。

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