“無間の鐘”と与兵衛の椎

2005-09-29 PM 5:35 by moto


輪島市南志見・住吉神社の夫婦松から数百メートル。道に覆いかぶさるように、その巨大な椎(シイ)の木はあります。これが輪島市の天然記念物にも指定されている“里の与兵衛の椎”。樹高24mの巨木です。

現地案内看板より

里の与兵衛の椎(シイ)
輪島市指定天然記念物 昭和44年7月11日指定

このスタジイの主幹は、0.9m上がって二岐となり、枝も長さ20mを超える大木で、見事な一大森の樹形である。胸高周囲7.63m、樹高24mで、スタジイの石川県の巨樹では第10位である。
この木のある土地の元所有者は、百姓“与兵衛(よへい)”で、寛永12年(1635)の名舟組持高帳によれば、129石8升5合とあり、南志見(なじみ)きっての豪農であり、多くの塩田も所有しており、塩作りも手広く行っていたと云われる。

さすがお金持ち!広大な庭に椎の木を植えて、代々守り続けてきたんですね。きっと家の歴史もかなり古いんだろうなぁ・・・、なんて辺りを見渡してみると、なんかオ・カ・シ・イ(;´Д`)
そんな豪農の家なのに、どう見てもココは廃墟としか思えない様相・・・。

それもそのはず、よ~く案内看板を読み直してみると「七代たったら落ちぶれてしまった」と書かれています。一体どうゆうことなんでしょう?

里(地名です)の与兵衛さんはけっこう有名な豪農で、塩作りなども手がけてガッポリ儲けていたようです。そんな与兵衛さんは、人には言えない“お宝”を持っていました。それは世にも怖ろしい“無間の鐘”と呼ばれる忌々しい魔性の鐘。

“無間の鐘”
これをつくと、娑婆(しゃば)と未来を入れ替えることができるのです。しかしその代償として“無間地獄”に落ちるとも云われており、またその効果の持続期間を前もって告げなければなりません。

現在と未来を入れ替える。つまりタイムマシーンのような効果があったのでしょうか?
きっと興味本位だったのでしょう。与兵衛さんは期間を「七代よかれ」と告げ、この魔性の鐘を鳴らしてしまいました。これが悲劇の始まりだったのです。

あなたがもしタイムマシーンを手に入れたら、まず何をしますか?
私ならこうします。
・万馬券(レース結果)を知り、大金持ちになる。
・未来を、自分の都合の良いように替えてしまう。

与兵衛さんは自分の庭の池から“金”を担いだ牛を呼び出しました。
与兵衛家は、鐘の効果もあってか商売繁盛!その栄えっぷりは七代続きました。いえ正確には“七代まで”しか続かなかったのです。

与兵衛さんから数えて七代目の主人、最後の日は突然訪れました。
商売は失敗し、病気や怪我など悪いことばかりが続き、とうとう与兵衛家は落ちぶれてしまったのです。
そう、与兵衛さんの言葉通り、「七代良かれ」だったわけですね。

今、この地には大きな椎の木と、牛が出てきたという池の跡のみが残されています。
この椎の木の下に立つ機会があったら、そんな物語を思い出してみてください。

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